君の声がききたい

「沙和?」




イベント広場内をみんなでうろうろしていたら…

向こうの方で、急に車椅子に乗った女の子が、沙和ちゃんに話しかけてきた。


沙和ちゃんがその子に駆け寄ると…隼人もその子に近づく。





…知り合いか?


「奏と修也に紹介するよ。こいつは虹っていって…俺と沙和とハルと一緒の小学校だったんだ!」

「はじめまして。野々村 虹です!」


…………!



俺と奏に、ペコッと頭を下げるその子。

名前は…虹?


俺はその子から、目が離せない…




かわいい。


その子の第一印象はそれだった…


化粧はちょい濃いめだけど…やりすぎてない感じ。

短めで明るい髪を巻いていて、今時っぽい服を着ている…




俺は、沙和ちゃんと手話で会話をするその子を…ぼんやりと見つめていた。


手話できるんだ。

すげー。



ん…?


すると沙和ちゃんが、なにやら手話で奏に聞いている様子。




「全然いいよ」


奏が沙和ちゃんの問いに即答。