君の声がききたい

左手の薬指に光るリングを眺める私…



しかも今日は引っ越し!

今日から、うちに奏が住むんだよー!

同棲だよー!

料理とか頑張っちゃうよー!





――『修也来たから…荷物運ぶよ…』




肩にタオルをかけた奏が、玄関からひょこっと顔を出す。




奏、今日はタンクトップ着てる…

腕の筋肉半端なぁ!

あーカッコいいっっ!!



――『じゃあ、どれから運べばいい?』


立ち上がり、段ボールを選ぶ私。




――『お前はいいよ。下で待ってて…』

――『え!?なんで!?』

――『お前は段ボールをあっちの家に運んだら、荷物を出す役割』

――『そんなぁ…』

――『ほら、邪魔邪魔。もーすぐハルちゃんたちが来るから、下で待ってろよ』



Σガーン…!

邪魔とか言われた…


とぼとぼとアパートの階段を下りて、修也くんに挨拶したあと…

私はアパートの隅で、いじけるようにタバコに火をつけた…





なにさなにさっ

“邪魔”なんて言うことないじゃんかっ



トン




「おは!」