君の声がききたい

「あ…そうだ。忘れてた…」


…?

棚に置いてあった携帯の、隣にあった小さい紙袋を取って言う奏。




「…ん。やる」

「!」


奏はその紙袋を私に雑に渡し、ピザ屋に電話をかけ始めた。



なにこれ…


一瞬戸惑いながら…紙袋をガサゴソと開けてみる……






「!!!!」


紙袋の中身…それは…








「……はい、お願いします…………ぐっ!」


紙袋の中身を見た瞬間…私はピザ屋と話し中の奏に、後ろから抱きついた。



「な、なんだ…?」

――『奏、これ…』


私の手のひらには…シルバーのリングが…

そう。紙袋の中身は、指輪が入っていたのだ。





――『欲しいって言ってただろ。』

――『うんっ!嬉しい!ありがとう!!』


しかも、指輪のデザイン…シンプルでかわいいしっ!

私の好みわかってる♪



胸きゅんしながら、左手の薬指に指輪をはめてみる。




――『大切にするね…ありがとう…』