君の声がききたい

「俺もいいよー!むしろ“歓迎”するよ♪」


修也がそう言うと…虹ちゃんはクスと笑って、「よろしく」と言った。


しばらくして、たこ焼きを買いに行ったハルちゃんが帰って来て、虹ちゃんとの久しぶりの再会に喜んでいた。


沙和から聞くところによると…

虹ちゃんも小学校の頃、沙和と隼人と同じ特別クラスで、3人は特に仲が良かったらしい。

中学は学区が違ったため、虹ちゃんとは離ればなれになったが…虹ちゃんもひまわりの会に所属していたため、沙和たちは定期的に会っていたみたいだ。





――『奏くんは・・沙和の彼氏?』


たこ焼きを食いながらぶらぶらと歩いている時、車椅子を押す沙和に虹ちゃんが聞いた。



――『うん、そうだよ』

――『へー。超イケメンだね♪沙和と並んだら美男美女じゃん!いいなー』

――『そんな…』


“そんな”とか言って、沙和は顔を赤くして照れている。

わかりやすいヤツ…



「ん…」


俺は沙和の口に、串に刺したたこ焼きを近づける。

車椅子を押している沙和は立ち止まって端に寄り、たこ焼きをパクッと食べる。




――『ラブラブだねえ。いいなー♪』

――『いちいち見なくていーてばっ!』


虹ちゃんにからかわれ、更に顔を赤くする沙和。




「虹ちゃんは彼氏いないの?」




すると、修也がしゃがんで虹ちゃんに話しかける。




「いないの〜ってゆうか、今まで1回もいない〜」