君の声がききたい

「だから毎日楽しいよ。来週は“ひまわりの会”だしなっ」

「修也」


俺は前にいる沙和たちを見つめながら、低いトーンで言った。

修也は「ん?」と、俺の方に顔を向ける。




「来週のひまわりの会・・無理に来なくてもいいぞ…」

「え…」

「俺が行くから・・お前は別に無理しなくても…」

「別に無理してねえよ?どうしたんだよ、急に…」

「………」


一瞬言おうか迷い、言葉を詰まらせた…

でも俺は、ゆっくりと話し始めた。




「ガキの頃…仲良くしてた友達が、知的障害者の人を見て…指差して笑ってんのを見てさ。俺はその時、その友達を軽蔑したよ…」

「うん…それはひどいな」

「でもさ…最近沙和や隼人といて思うんだけど・・俺も…知的障害者を見て笑ってたその友達と変わんねえのかなって…」

「――!」


俺は続けた。




「結局さ…俺は沙和と一緒にいても・・どこか沙和を“下”に見ちまってる部分があるんだよ。対等に見てるつもりでも…場面場面で見下してる部分あると思う。隼人にだってそうだよ…」

「でも仕方ないよ!沙和ちゃんと隼人は障害者だろ?あ…」


修也は自分で言ったことに…「ハッ」と気づく。




「…ほらな。結局そうなんだよ…最後には“障害者だから”って言葉が出てくるんだよ…」

「…………」


俺はタバコに火をつけながらそう言った。

修也は返す言葉がない様子…