君の声がききたい

「…沙和」


俺の手を握っている、沙和の手のうえにあごをのせる俺。




「…なんでも言え」

――『…?何を?』

「…願いとか・・夢とか………」

「…!」

「全部…叶えてやるから」

「・・・っ!」


俺がそう言うと…

沙和は一瞬びっくりした顔をしたあと…目をうるうるさせて笑った。





――『“願い”かぁ…』

「うん…」

――『みんなで飲みたい!』

「そんなんでいいのかよ(汗)」

――『だって…今日行けなかったから…』

「わかった。近々行こう」

――『やった★』

――『あとは?』


俺がそう聞くと…沙和は「うーん」と考え込む。




――『旅行に行きたい』

「旅行?」

――『うん。みんなでどっか行きたい…』

「いいね。じゃあ行こうか…」

――『うんっ』


沙和はニコッと笑った。

だんだん笑顔が戻ってきたな…




「あとは…?」

――『うーん…急に言われてもな…』

――『色々あるだろ。なんでもいいから言えよ』

――『…“なんでも”……叶えてくれるの…?』

「うん…」


出来ないこと意外は…全て叶えてあげたい…