君の声がききたい

「よし。OK…」


沙和の足に湿布を貼り、足首用のネットを履かした俺。



「…なんか飲む」

「……!…」


湿布を片付けながらそう言うと…沙和はゆっくりと頷いた。

俺は冷蔵庫からペットボトルのお茶を出し、沙和に手渡す。


沙和は――『ありがとう』と、手を動かした。




沙和…元気ないな…

当たり前だけど…


俺は沙和の隣に座り、今冷蔵庫から出した烏龍茶を飲む。




トン

「!」


沙和の肩を軽く叩く。




――『もう寝れば?疲れただろ?』


もう12時回ったし…

沙和はテレビの上の時計をちらっと見たあと、コクンと頷いた。



――『今日は寝室のベットで寝ろよ。』

――『……奏は…?』

「俺はソファーで寝るから…」

――『嫌だ。一緒にいてよ…』

「………!」


不安そうな顔をして、ぎゅっと俺のTシャツをつかむ沙和。



そうか。

まだ怖いんだな…


今日の今日だしな。

あんなことがあったあとに、
一人で寝れるわけねえよな…




「ごめんごめん。じゃあ、いつもみたいに寝るか…」