君の声がききたい

「…“あいつら”って?」

「………」


俺は何も言わず、ただ修也を真っ直ぐ見つめた。

すると修也は、俺が言った“あいつら”の意味がわかったらしく…

「わかった…」と枯れた声で言って頷いた。













「……‥重い捻挫(ねんざ)ですね。しばらくは、運動を控えて安静にしててください」


医師の先生が言う。


あのあとタクシーを拾って、俺は沙和を病院に連れて来た。


念のため、体中を診察してもらったが…

足首の捻挫以外は、特に怪我はなかった。




「腫れがひくまで毎日湿布を替えてくださいね。お大事に…」

「ありがとうございました」


俺は先生に頭を下げる。

沙和もそんな俺を見て、先生にペコッと頭を下げた。




ガラガラ…


診察室を出ると…ハルちゃんと隼人が、沙和に駆け寄って来る。



「…大丈夫だった?」

「ああ。怪我は捻挫だけだって…しばらく運動はできねえけど、生活には支障ないみたい」

「…良かった」


安心したように、胸をなで下ろすハルちゃん。





「あ‥俺たちなんか飲み物買ってくるよ」

「サンキュ」