君の声がききたい

「沙和ちゃん…トイレにいたの?」

「ああ。閉じ込められてた…」

「え…」


俺がそう言うと…隼人と修也は、びっくりして言葉を失っていた。

沙和を抱えて、とりあえず外に出る俺…



「え!沙和っ!?」


外に出ると…ハルちゃんが、俺に駆け寄って来る。

ハルちゃんは俺に抱えられている沙和を見て、「良かった」と泣き出した。


沙和は顔を隠すように俺にしがみつき、しくしくと泣き続ける…

隼人たちも、一安心したようにトイレから出てきた。




「とりあえず良かった…」

「安心したよ」


泣いているハルちゃんを慰める隼人と、安心したようにその場にしゃがみこむ修也。





「俺…こいつ病院に連れてくわ……」

「え?」

「どっか怪我してんの?」

「うん。足がかなり腫れてる…」


抱えている沙和の足を見せると、修也たちは「本当だ…」と痛々しい顔をした。




「隼人…悪いけど、俺のカバン持ってくんねえか?そんで病院まで一緒についてきて欲しい…」

「うんっ、全然いいよ」

「サンキュ。あと修也……」


俺はしゃがみこんでいる修也を呼ぶ。

修也は「ん?」と言って、スッと立ち上がった。








「…あいつらに連絡して」