どちらかといえば、新しいこの大学は…まだまだきれいで、しかもガラス窓が多く、日がよく射し込む。

今俺が歩いている廊下も、少しまぶしいくらいのオレンジ色の夕日が射し込んでいた。




ひとりでいる時間はキライじゃない。

数人の友達とたわむれるのも、いいと思う。

けど、意味もなくダラダラ過ごすのは嫌い。

時間がもったいない。




「あのッ」


あ…?

突然、誰かに後ろから声をかけられた。

振り返ると…知らない女が立っていた。



一応、キョロキョロと周りを見渡してみる…


俺‥に言ってんだよな?




「あの…ち、ちょっといいですか?」




やっぱり俺だったみたい(笑)




「…何?」

「えっと……そのっ」


うつむきながら、もじもじとするその女。



…なんだコイツ?





「あのっ…」




「…はい?」

「アドレス教えてっ」

「…………」



アドレス…


「…いいけど」

「本当!?」

「うん」

「やった♪」

「…俺のスマホ(スマートフォン)赤外線機能ないから、これみて自分で入れて」

「わかった!」