君の声がききたい

この恵里佳って子は…奏のこと好きなんだから…

だから私に話があるってことでしょ。


私は奏の彼女なんだから…

“話がある”って言われて、逃げるわけにはいかないよ。


奏の彼女である以上…堂々としてなきゃ。



ハルにはちょっと待たせちゃうけど…

あとで説明すればわかってもらえるよ…







恵里佳って子が、ベンチから少し離れた場所を指差す。

あっちで話そうってことだよね…


私は頷いたあと、その人たちから少し離れて歩いて移動した。


そして3人でやってきたのは、公園のトイレの裏。



こんなところで…(汗)

と思ったけど…


変に目立つ場所で話すのも嫌だし、かといってこの人たちと店に入るのも嫌だから。

この場所は正解かも…




「!」


恵里佳って子が、ルーズリーフになにか書いたあと、私に見せてきた。




《奏と付き合ってるんだって?》

「・・・・」


そしてその子は、ルーズリーフとペンを私に差し出してきた。

私はそれを無視して、自分のカバンからノートとペンを出して返事を書く。





《そうだけど》


さらっとそう書いて、ノートを見せる私。