「つかもと…さわ?」


俺の口元を見て頷きながら、その子は自分が書いた名前の上にひらがなで“つかもと さわ”と付け足した。





名前‥沙和ってゆうんだ…



カリカリ…

《私のことも“沙和”って呼んでね》




カリ…

《そのつもり。》


俺がそう書くと…沙和はクスクスと笑った。




沙和の自然の笑顔は…

めちゃめちゃかわいかった…








カタ…




すると…沙和の隣に、背の低めの小柄な女がやってきて、俺のことを不思議そうに見つめてきた。




「沙‥和?」


その小柄な女は、沙和の肩をトントンと叩く。

肩を叩かれた沙和は、その小柄な女を見た途端…手慣れた手つきで手を動かし始めた。




手話だ。

初めてみた…


沙和は小柄な女に対して、口を動かしながら手話で会話していた。

その小柄な子は、沙和の手話を見て「うん、うん」と頷いている。




この小柄な子…手話わかるんだ。

すげえ。





「ああ…この人が昨日言ってた、携帯を拾ってくれた人なんだ!」