君の声がききたい

犬に妬くなんてバカみたい…



トントン




すると、奏が私の肩を叩く。




――『今日の飯なに…?』

――『あ…ハンバーグだよ』

――『これが?』


ボールに入っている、ハンバーグのタネを指差す奏。



――『そう。これを丸くして、平らにして焼くの!』


そう言って、私はハンバーグのタネを手でこねた。




「…ふーん・・あれ?爪…なんか塗ってる…?」


き、気づいた――っ!!



――『そう!今日ハルとサロン言ったの!』

「へえ」


慌て手を洗い、奏にやったばかりのネイルを見せた。



――『どおかな?♪』


かわいいでしょ?

シャーベットカラーにしてもらったんだよ?

しかもカラフルだよ?

しかもしかも、ストーンでかわいくしてもらったんだよ??




「いいんじゃない?」


へ?

奏はそう一言言って、タバコの火を消してキッチンから出て行った…




“いいんじゃない?”


それだけ。…(泣)



ガックリと肩を落とし、ぼそぼそと作業を再開する。