君の声がききたい

その子はノートにそう書いたあと、フッと笑った。




また笑った。

やっぱりかわいい…



焦げ茶色の、サラサラのロングヘアー…

目がぱっちりとした美人系…

流行っぽい化粧の仕上がり…

きれいな色白の肌…


その子は誰がどう見ても美少女で…

とても障害なんてあるようには見えなかった…


それは見た目ではなく、
その子の明るい雰囲気からは…とても想像できないものだった。




カキカキ…



そんなことを考えていると…その子はまたノートに向かって書き始める。



《名前、聞いていい?》




その子の質問を読み、俺はすぐにノートに返事を書く。







《柏木 奏》


カキ…

《かしわぎ かなで?》




俺が書いた名前の横に、ひらがなで俺の名前の読み方を聞くその子。

俺はその子の問いに「うん」と頷いた。




カリ…

《柏木くんね!》

《奏でいいよ》

《わかった!》

《俺も聞いていい?名前》


俺がその子の名前をさりげなく聞くと、その子は俺の名前が書いてあるすぐ横にペンを走らせる。





《塚本 沙和》