君の声がききたい

「今日は奏くんバイト?」




ハルが口をゆっくりと動かす。

私はハルが手話をしなくても…ハルが言っていることは、口の動きでたいていはわかる。


ハルは気を使って手話をしてくれるけど…

最近はハルが口でしゃべって、私が手話で返す光景が増えてきた。


奏の口の動きも、早くマスターしたいっ!




――『うん!バイト終わってから、うちに来るよー』


早くバイトが終わる時間になってほしい♪



「そうなんだ。いいねー、ラブラブで…」

「・・・(//)」


笑いながら、ポリポリと頬を掻く私。





「あ、そういえば。奏くんと…修也くんだっけ(?)正式に、隼人のフットサルチームに入ったんでしょ?」

――『そうそう!先月からだったかな?会うたび、フットサルの話ばっかりしてるよ(呆)』


奏はサッカーの話になると、ちょっとキャラ変わるからな(汗)

でも、それがちょっとかわいくって…しょうがないな〜みたいな感じだけど♪←




「そうなんだー」

――『でも隼人のチーム、すごいいいって言ってたよー。練習もダレてないし、みんないい人ばっかりで、ONとOFFがちゃんとしてるからやりやすいって!』

「そっか。じゃあ、良かったね♪」


笑って言うハルに、私は笑顔を返した。





「そろそろネイルサロンの予約の時間だね♪」


ハルが携帯の時計を見る。