君の声がききたい

「だから…それは断っただろ。ハッキリ言うけど、俺はお前とは付き合えない」

【それはわかってる】

「わかってねえだろうが。だったらなんでさっきみてえに、俺んちで待ち伏せなんてすんだよ」

【だって…嫌われたままなんて嫌だよ!奏と付き合ってくれなくても、友達はやめないでっ】

「…嫌われたくなかったら、嫌われるようなことすんなよ」

【………!】


パタン

…!


後ろから、ドアが閉まる音がする。

沙和が風呂から上がったみたいだったが、俺は止まらなかった。



「俺は今、付き合ってるやつがいるんだ。俺はそいつが好きなんだよ。だからもう邪魔すんな。ほっといてくれ」


スト

沙和が俺の隣に座る。

俺は続けた。



「もう電話してくんな。」

【あ‥かな】


ブチっ


俺は勢い良く電話を切った。


隣に沙和から、シャンプーのいい匂いが漂ってくる…




――『DVD観るか』


体ごと沙和の方を向き、何気なくそう聞く俺。

沙和はゆっくりと頷いた。


俺は足元にあるDVDの袋を取り、立ち上がってプレイヤーに入れようとした。





ぎゅっ


「……!!」


すると、突然俺に後ろから抱きついてくる沙和。



沙‥和?