君の声がききたい

そしてその子は、さっとノートにペンで書き始めた。




《昨日の携帯拾ってくれた人!》




ニコッと笑って、書いた文字を俺に見せてくるその子。



あ。笑った…

かわいい…




《昨日はありがとう》




ノートに付け足して書いたその言葉を、俺に笑いながら見せてくるその子。

俺は「うん」と頷いた。





「えっと……あ、俺にもペン貸して」

「………!」


俺がノートを指差したあと、次にその子が持っているペンを見ると…その子は俺のしたいことを理解したみたいに頷き、俺にペンを差し出した。


俺はその子のノートを借りて、少し考えたあとペンを握りノートに書き出した。






《ひとり?》


最初の質問がそれかよ(汗)

なんかかわいそうだったかな…


俺がそう言うと、その子笑顔で何度か頷いた。





あ…

えっと……



《ごめんね。昼飯の途中で話しかけて…》


俺がそうノートに書いてその子に見せると、その子は俺が持っているペンを指差したあと、俺に手を差し出してきた。



ペンを…貸せってことだよな…