君の声がききたい

――『ちょっと肌寒いねぇ』

――『な。もうすぐ6月だろ?本当に暑くなんのかって話だよ』


レンタルビデオ屋に向かって歩き出した俺たちは、そんな会話をしていた。




――『ねーねー。明日は何時から大学行く?』


つないでいる手を、ぶんぶんと振りながら言う沙和。



「うーん…」

――『今日はうちに泊まるから、一緒に大学行けるもんね♪』

・・・(汗)

――『沙和…そのことなんだけど・・・』

――『なに?』


う…(汗)


なにか感づいたのか、沙和は急に眉をしかめた。




――『え、っと……実は・・』

――『“実は”?』

――『家に参考書忘れちゃってさ…(汗)』


とっさに嘘をつく俺。



――『じゃあ、今奏んちに取りに行けばいいじゃん』

――『え』

――『奏の家って、確かあっちだよね?行こ!』

「あ…」


沙和に引っ張られ、レンタルビデオ屋とは反対の方向へ向かう俺たち。


作戦…失敗した(汗)







――『奏んち。さりげなく行くの初めてだねー♪』

――『そういえばそうだな…』


俺んちまで、あと数分足らずのところまで来た時…沙和がちょっと浮かれ始めた。