君の声がききたい

もしかして……“義足”ってやつだよな?


事故とかで失った足につけるやつ…



義足をつけてるってことは…

ハルちゃんの彼氏も…障害者なのか・・・


いや。

障害者なんて言ったら…失礼だよな。



完全にハルちゃんの彼氏を見る目が、さっきとは変わってしまった俺…


これじゃあ…

この前の居酒屋の恵里佳たちや、フットサルの奴らと一緒だ。


俺…最低だ。





トン




すると…隣にいる沙和が、俺の肩を叩く。



――『どうしたの?なんか考え事?』


やべ。

俺ぼーっとしてた。




――『別に。ただぼーっとしてただけ』

――『ふうん…』


俺を、怪しい目つきで見つめる沙和。



――『沙和が作ってきた弁当に、なに入ってんのか考えてたんだよ』

――『うそつき!』

「ハハ」


“うそつき!”とか言いながらも、顔を赤らめる沙和。



その後

水族館を満喫し、沙和が作ってくれた弁当を4人で食べた。


その最中も、ハルちゃんの彼氏の義足をちらちらと気にしてしまう自分がいた…