スッと風が頬を撫でる。 風に揺らされた草がサワサワと騒ぎだす。 うちは、静かにその草の上に腰を下ろした。 「落ち着いたか?」 『…ん』 「…そろそろ、お前のことを教えてくれ」 『……』 「……」 『……』 「…そんなに警戒すんなや。てか、なんか言えよ」 ふぅ、とため息をつく男……いや、女。 『なんで、うちがこんな目に合わなくちゃいけないんだ…』 「はっ。同感だな(笑)」 『…あっそ』 なぜ、うちはため息をつきたいのだろうか。 もう、考えることも、思い出すのも嫌だ。