「…ねぇ、本当に、…空って、天使なの?」




あれから数分。



私たちは床に腰を下ろして座っていた。



横を向いて、隣に座っている空にそう問いかけると、




「そうだけど」




…と、あっさりとした返事が返ってきた。



何だか、まだイマイチ信じられない。



目の前で起きた、あまりにも、非現実的すぎる事を。





「ほんとに?」



「ああ」



「ほんとうのほんとうのほんとうに…」
「あー、もう疑い深いなお前。そんなに俺が信じられないのかよ」



「ご、め…、だって…。夢としか思えな…」



「ほっぺ抓って確かめさせてやろーか?」



「し、信じます信じます、信じました! だから抓らないでーっ」



「っ、はは、面白いな、お前」




楽しそうに笑う、空。



…自覚なさそうだけど、Sっぽい。