そんな美津を救うこともせずに事の成り行きを見ているのは義孝であった。 同じ立場である美津に、少なからず親近感を持っているのは紛れようもない事実だった。 しかし、弱者が馴れ合ったところでどうにかなるものでもない。 今よりも激化する恐れさえある。 いじめを受けている者からすれば、今より酷くならないことだけが救いなのだ。