このクラスのリーダー的存在である隆史が一声上げれば、皆が口々にブーイングを放つ。 「そうだよお前、最後まで走って疲れてることくらい分かれよ!」 「あんなんじゃバトンなんか渡せねぇだろ!」 「たいして速くもないくせに、いい気になっちゃってやぁね~」 わざとのくせに‥ グッと噛み締めた唇の痛みよりも、心に負った傷の方がずっとずっと痛かった。