第三走者から第四走者にスムーズにバトンが渡り、次はいよいよ美津の番になった。 白線の上に並ぶと、胸が高鳴る。 バトンを渡すオーバーラインを越えてはいけない、何度も自分にそう言い聞かせ、向かってくる第四走者をじっと見つめる。 スピードは落ちていない。 ならば自分も全力でスタートダッシュを切るべきだ。 上手くバトンが渡れば、スピードダウンは免れる。 美津は勢い良く駆け出した。