「ちょっと!邪魔なんだけど!」


ドンッ バサバサッ


「あっ‥」


ぶつかった拍子に教科書が散らばってしまった。

慌てて拾おうと手を伸ばす。


グシャッ


「!!」


「やっだ~ごっめ~ん!」


キャハハハ‥と甲高い笑い声を響かせながら、少女達は去っていった。


「………………。」


踏みつけられた教科書には、くっきりと足跡が残っていた。


フゥ、と力無く溜め息を吐き、少女は教科書を手で払った。