「ばかやろう。 確かに最初お前に 独り身がどうとか 言ったけどな、 オレだってまだ 余裕で独り身だ。 それどころかこんなに 仲良くなった女は お前が初めてだよ//」 間近で殿の声がする。 吐息が耳にかかる。 あたしの心臓は またどうにかなりそう。 こんなに密着してたら 今度こそ聞こえてしまう。 お互い少し離れて 見つめあう。 まるで時が止まった かのように、 周りの雑音も雨の音も 何も聞こえない。