そのままあたしは不安になっていつの間にか桐生のYシャツの裾を掴んでいた。 その様子を見て桐生が笑う。 「…今は受け入れるだけでいいよ。」 大嫌いなはずなのにその優しい声に安心感を覚える自分がいた。 なんだか意識が朦朧としていく。 視界がかすんで何も見えない。 もう駄目かもしれない… 「…今は形だけでもいつか必ず…俺を好きにさせてやる。」 桐生の切なさの交った声を聞きながら あたしは意識を手放した。