…泣くな、泣くな 辛くなんかない。 「いくらなんでもお前、それは最低すぎるだろ」 恭ちゃんもミサトもさすがに焦ってきたように見える。 「最低とでもなんとでも言えよ。じゃあもうこの際はっきり言うよ」 桐生があたしを真っ直ぐに見た。 ズキン… 「俺はお前のこと嫌いになったから、もう俺の前に現れないでくれない?」 「…っ」 胸の奥が張り裂けそうなくらい痛い。 「約束して」 そう言って桐生は手を差し出してくる。 「……っ」 そしてあたしの小指と自分の小指を絡めた。 「…さよなら」