かすれた低い声が耳に響く。 それと同時に首筋に鈍い痛みが走った。 「…っ」 「隙あり」 得意気にあたしを見上げるアイツはニヤリと笑う。 ドキッー!!! あと数センチという距離に迫った唇。 目の前にはアイツの綺麗な顔。 「ゆ、許して下さい…」 「ダメ、許さない」 そう言ってどんどん顔を近付けてくる。 でも、逆らうことなんてできない。 だんだん暗くなる視界にギュッと目を閉じた。 できるはずがない。 だってアイツは…。