――――… "ありがとう"とネックレスを眺めながら来栖は笑った。 「いーえ」 俺もつられて微笑む。 ガラスのように繊細で、壊れてしまいそうな彼女だけど 時に見せる笑顔は眩しいくらいで。 でも…少しだけ胸は痛んだ。 笑顔一つに心を揺さぶられるくらい、まだ俺は来栖の事が好きだから…。 でも… 「桐生は今すごく辛い状況にあると思う。俺から言えることじゃないけど…」 「うん…」 俺の顔を映し出した来栖の瞳が大きく揺れる。 「だから、せめて…さ、お前が笑って桐生の事を支えてやってくれないか」