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 ・・・ここは、どこ?


 
 ふわふわのものに、頭が沈んでる。

 枕?

 清潔な石鹸のかおり。

 目を開けてみたくても、身体中がだるくて、瞼すら持ちあがらない。

 このまま、この清潔な香り漂う場所で、眠り続けていたい。



「・・・大丈夫?」



 心配していたわるような声に続いて、ひんやりとした指先が額に触れた。

 冷たくて、心地いい。

 

「熱いね。ごめん。具合悪いなんて、少しも気がつかなかった。

 ごめんね。
 
 心配してるよ。でも、保健室のベッドの区画まで男女別なんて、この学校・・・共学にするつもりあるのかな?

 今も、入口の前で、心配でうろうろしてるよ。 

 自分も、まだなおりかけのくせにね」



 くすくすという楽しげな笑い声につられるように、うっすらと目を開けてみた。

 まぶしくて、よく見えない。

 細めたままの目に映るのは、すこし、鋭くみえる綺麗な目。それは、私のしっているもう一人の目に、色も形も、よく似ていた。



「ダメだよ、目を閉じて寝てないと。

 もうすぐ、親御さんが迎えに来るって。

 うつったんだね、風邪が」



 風邪? 本当に?

 だとしたら、何年振りにひいたかな?

 わすれちゃった。