リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・12

でも確かに言われてみれば、結婚の方が落ち着くのは早いかもしれない。

「でも…」

「まだ何かありますか?」

人が悩んでいるのに、額や頬にキスしてこないでほしい…。

ちゃんと真面目に考えているのに、この人は…!

「ウチの父には、何て報告するんですか?」

はっきりとした声音で尋ねると、動きがピタッと止まる。

やっぱりこの人、仕事バカだ。

そっちのことは考えていなかったんだろう。

「ウチの父はアナタを信用して、ここに働かせているんですよ? それが一年しか経っていないのに、結婚とか言い出したら、怒りそうなんですけど」

「…そっちの問題がありましたか」

唸りながら、険しい表情を浮かべる姿を見ると、ちょっと可愛いって思ってしまう。

「まっ、そっちはおいおい。何せ二十歳過ぎれば、結婚は自由ですからね」

確かにそうだけど、でもその言い方って…。

「何かアタシが二十歳過ぎるまで、待っていたって感じの言い方ですね?」

「そっそんなことはありませんよ!?」

珍しく動揺を見せる。

アタシは深く息を吐きながら、改めてこの人との未来を考え始めた。

…でもまずは、ご主人様や同僚、そして両親の報告が先。

―アタシ、この人と結婚します。

ってね?