「何故、逃げんだよ…?」 耳元で彼の声がする。 「それは貴方があんな事を言うから…」 ふと私の目の前に桜が描かれた貝殻が差し出された。 「これやるから、機嫌直せよ」 私はそれを受け取り、中を見た。 中には、桜色の紅が入っていた。