だけど慧が沈黙を破った。
「心愛さー、最近悩みでもあんの?」
「へ?」
「だって最近俺にばっか八つ当たり
すんじゃん?何かあるなら言って
くんなきゃ分かんねえしさ。」
言っちゃだめなこと...だよね?
好きだよって言ったら...この関係
壊れるんでしょう?
こんな風にあたしのこと心配して
くれないよね?
「...慧はどうしてそんなにあたしの心配
してくれるの?」
「え?そりゃあ...まあ...“大切な幼馴染”
だからに決まってるじゃん。」
幼馴染.....
「昨日はごめん。ちょっと眠くてイライラしてた。
あたし最近生理だからイライラしてるから
あんまり絡まないほうがいいよ?」
「はっはあ!?」
慧は大きな口を開けてあたしを見ている。
「ばーか。」
あたしはそう言って舌をだして
自転車にまたがった。
勢いをつけて自転車をこぐ。
風があたしの涙をかわかせてくれた。

