「理事長、何ですか?俺に用事なんて。」


「それが言いにくいことなんだが…君の弟、あの子が目覚めたらしいんだ。」

「……そうですか。」

どうして。


叫びそうになるが、ぐっとこらえて背を向け、歩き出した。



「――君は高野さん、妹の存在を隠して弟くんが気づかないと思うか?」


「失礼します。」

バタン