「それがどうしたって?」


鼻で笑うように言って、女の人を抱き寄せる。


「人間、人を傷つけて生きてるんだ。それぐらい自分が良く分かってるだろ。」


「……っ。」

修兄はギリッと歯を食いしばった。




「……。」



その通りだ。

人を傷つけて、傷つけられたり、そうして生きてる。


人を傷つけずに生きるということは、人間じゃ無くなるってこと。
どちらかの“感情”を捨てなければいけない。

一人一人、心を持って生きてるんだから。



「で、何の用だ?」