まだ放課後というわけか人は疎ら。

あと少しと言うところで人にぶつかった。


「す、すみません急いでて…!」


「……高野、お前…。」

駆兄は目をキョロキョロさせると音楽室まで手を引っ張った。


あくまで学校では先輩後輩。



「どうかしたのか?」


「別になんでも…ない…。」



「……じゃあなんで泣きそうな顔してんだ?」


「……。」