その笑顔は優しく綻ぶ花のように温かく
そして胸が張り裂けそうなほど、悲しくて痛い。


俺はこの笑顔を壊したくなくて、だけど、それが大っ嫌いだ。



どうしようもなく
泣きたくなるから…―――





なあ、笑花、覚えてっか


あの瞬間を
燃えるような夕焼けを

俺たち2人が逃げ続けたくて、終わらせたくなかった8月31日の始まりを


24×365って、いくつなんだろうな。今俺、携帯も電卓も持ってないから分かんねぇや。


でもただひとつ分かることは
俺らは、それだけ長い間、8月31日に在り続けているということ。



俺が笑花を縛り続ける。
笑花が俺を縛り続ける。


お互い離れたくなくて、離したくなかった。

だけど俺は、残り数時間を区切りにしようと思う。願う。