「お前、何故こんな所に居る?」 考え事をしているうちに離れた場所に居たはずの土方が目の前に居た。 美桜里は答えてやる筋合いは無いと目で訴え、歩き出す。 すると、急に視界がグニャリと歪み、美桜里は塀に手をついた。 「な、んだ…、これは…」 支え無しには立っていられない程の眩暈と頭痛が彼女の意識を苛んでいる。 「おい、大丈夫か!?」 美桜里の異変に気付いた土方は慌てて駆け寄って来た。 土方の姿がぼやけ、声が遠くなる。 そこで美桜里の意識はプツリと切れ、闇に堕ちた――。