ポツポツと隊旗に雫が落ちて行く。 一粒、また一粒と隊旗に落ち、シミを作った。 「美桜里」 すると、後ろから名前を呼ばれた。 振り返ってみると、そこには陽真がいた。 「陽真…、私は――っ!?」 銃声と共に胸に激痛が走る。 「ぁあ゙…」 「美桜里ッ!!」 体勢を崩すと、陽真が美桜里を抱き留めた。 胸を押さえる手を持ち上げると、そこにはベットリと血が付いている。 これはいくら鬼の治癒力でも治すのは無理か…。 でも――。