「陽真、離せ!父様達が中に!」 美桜里は彼の腕を振り払おうとした。 しかし、腕はしっかりと掴まれていて、離れなかった。 「陽――、かは…っ!」 突然、腹部に痛みが走り、視界がグニャリと歪んだ。 倒れそうになる彼女の身体を陽真が支えた。 「は、る…ま…?」 「ごめんな、美桜里。少し眠っててくれ」 美桜里は落ちて来る瞼を無理矢理こじ開け、陽真を見た。 彼は悲痛そうに顔を歪めている。