「よし、そろそろ部屋に戻るか」 「ああ」 美桜里は笛を吹き終えると、土方と別れ、部屋に戻ろうとした。 「美桜里」 すると、彼に呼び止められた。 「何?」 「何でもねぇ」 「?」 用もないのに呼び止めた土方に美桜里は疑問に思ったが、そのまま部屋に戻った。 布団に入ると、さっきの彼の顔が頭によぎった。 死を覚悟した瞳――。 会津で感じた違和感と同じ瞳をしていた。 「大丈夫だよな、土方…?」 そう呟くと、美桜里は目を閉じた。 彼女が感じた不安が現実になる日はすぐそこにあった――。