「死に急ぐようなことはするな。そんなことをしても、近藤さんは喜ばない」
何故か、その言葉を言う時だけは痛みを感じなかった。
美桜里の言葉に土方は呆気を取られている。
すると、彼は何を思ったのか肩を震わせ、笑い声を上げた。
「くくく…っ。女が言うには随分と勇ましい言葉だな。分かったよ、死に急ぐようなことはしないよ」
本当に分かったのか――?
美桜里はそんなことを疑問に思いながら、意識を手放した。
しかし、意識を手放す直前。
「お前が傍にいる限り、俺は死ねねぇみてぇだな…」
そんな土方の呟きが聞こえた気がした。
宮古湾海戦と言われるこの作戦は開始から四半刻で、旧幕府軍の敗退で終わりを告げた。



