「まずい、この足じゃ…」
旧幕府兵は既に退却を始めている。
このままでは敵艦に取り残されてしまう――。
美桜里はそんな事態に焦りを感じていた。
「美桜里!」
すると、さっき美桜里が突き飛ばした土方が駆け寄ってきた。
「土方…」
「何故、俺を庇った!?」
「いや…、条件反射ってやつだ」
「…説教は後だ。今は退却が優先だ。美桜里、立てるか?」
美桜里は立とうと試みたが、太ももに激痛が走り、無理だった。
「悪い、無理みたいだ。土方、私を置いて、お前だけでも――」
「馬鹿野郎がッ!てめぇは俺との約束を忘れたのか!?」
「…っ」
土方の怒号が聞こえたかと思うと、腕を引っ張られ、無理矢理立たされた。



