土方は英に視線を戻した。
「美桜里は私にとって、兄の忘れ形見です。ですから…」
土方の中で嫌な予感がよぎった。
美桜里を此処に残して行け――。
そんな言葉が頭に過ぎり、土方は少しうろたえた。
失いたくない――。
美桜里を此処に残して行きたくない、傍にいて欲しい…。
そんな感情が土方の中で渦巻いていた。
しかし、英が発した言葉は彼の予感と大幅に異なっていた。
「どうか、美桜里を頼みます」
俺に美桜里を任せる…?
土方は英の言葉に呆気を取られたが、すぐに正気を取り戻した。
「俺が美桜里を守る。だから、安心してください」
彼の返答に英は笑顔を浮かべた。
今言った言葉に偽りはない。
美桜里は俺が絶対守る。
たとえ、この身が果ててもな――。



