「何故、刀を抜かない?」
「抜く理由がないから」
「何…?」
美桜里は陽真の頬に触れた。
「陽真、いい加減自由になろう」
触れた頬から陽真の動揺が伝わって来る。
「私をお祖父様に売ったことを後悔してるんだろ?」
「してない…」
「家族があんな目にあったのは自分のせいだと思ってるんだろ?」
「それはお前が…」
陽真はうろたえたように目を見開いていた。
後悔はしていないと陽真は言っているが、美桜里には後悔しているようにしか見えなかった。
じゃなかったら、とっくに自分と家族を苦しめた彼女を殺している。



