美桜里は城を抜け出し、薄暗くなった街道を月明かりを頼りに走っていた。 会津には斎藤と泉羽が残った。 泉羽は仕えていた主の大切な人達を守ると言っていた。 美桜里にとって、泉羽も斎藤も会津公も聡も小夜も…。 大切な人達だ。 「ありがとう、皆…」 美桜里は唇を噛むと、走る速度を上げた。 すると、目の前に一つの影が現れた。 姿は月が雲で隠れているため、よく分からない。 「美桜里」 しかし、姿を見なくても、誰か分かった。 この声は――。