「お祖母様…、何故駄目なんだ?」
すると、聡は立ち上がり、美桜里の前に移動すると、膝をついた。
そして、頬に手を当てた。
美桜里が聡の温もりを感じたのは生まれて初めてだった。
「貴女は私の可愛い孫…。暴力を受ける貴女を何度も助けようとした。でも、あの人が恐ろしくて出来なかった…」
傍若無人のあの祖父だ。
そんなことをしたら、たとえ妻でもただでは済まされない。
それは美桜里も分かっていた。
「それがどうした?」
美桜里は聡を睨みつけた。
そんな昔のことを今、後悔したって、何の特にもならない。
聡は睨みに怯えることなく、じっと彼女を見つめている。
「だから、最後くらい守らせて?」
守る…?
その言葉でだいたいの予想がついた。
聡が美桜里を仙台へ向かわせようとしているのだ。
大切な孫娘を守るために――。



