そんなある日。
美桜里は会津に残った斎藤と共に城にいた。
「戦死者が多いな…。それに今の戦況は芳しくない」
斎藤は広間に並べられた遺体から視線を外すと、眉間にシワを寄せた。
「同感だ。それに、このままだと会津が落ちるのは時間の問題だな」
美桜里は彼以外に聞こえない程度の声で呟いた。
生存している兵士の数、戦力、弾薬、貯蔵している食料…。
会津は今、すべてにおいて、官軍に勝るものはない。
「何故、私はこんなにも無力なんだ…」
鬼の力を持ってしても、時代の荒波には抗えない。
人とは違う力を活かそうとしても、活かし切れていない。
美桜里は悔しさが募り、唇を噛み締めた。
「川綵…、お前は――」
「無力?鬼の力で私の家族を殺したあんたが?笑わせないでよ」
何処から現れたのか、目の前には小夜と聡がいた。



