「ああ。待ってる」 土方はさっきのへこたれたような顔ではなく、優しい笑みを浮かべた。 見慣れたはずの笑顔に美桜里は顔を赤らめる。 「どうした、顔が赤いな?」 「な、何でもない」 美桜里は彼から視線を外すため、絡めていた小指を引っ込めた。 引っ込めた後、何故か、彼の指から感じられた温もりが名残惜しくなった。 「どうしたんだ、私は…」 美桜里は自分の中に芽生える感情を知らないまま、彼と別れ、鶴ケ城へ向かった。